■トカイワイン
王のワイン ワインの王 ハンガリー トカイ・ワイン
素晴らしい食事のしめくくりには、素敵なデザートで余韻を楽しみます。
トロリとした琥珀色のワインは、それだけでも充分デザートになりますが、しゃれた一皿を添えておいしさを心ゆくまで堪能してください。
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トカイ・ワインは優れたハンガリーの“外交官”
ハンガリー北東部のトカイ地方で栽培される葡萄からつくられている琥珀色のとっておきのスイーツは、昔からハンガリーのもっとも優れた外交官と称され、ロシアのピョートル大帝や、フランスのルイ14世、ルイ15世、スウェーデンのカール12世、プロシアのフレデリク1世など世界各国のトップに献上されハンガリー外交を円滑にする一助となってきました。なかでもフランスの王・ルイ14世・ルイ15世はこのワインを、たいへん気に入り、ルイ14世は「ワインの王にして、王のワインである」と絶賛しています。
またルイ15世は愛妾(あいしょう)のポンパドール夫人にもこのワインを薦めたというエピソードが残っています。
貴腐ワインはハンガリーで偶然生まれた
実は貴腐ワインは偶然の産物でした。1650年頃、ハンガリーのトカイ地方で、オスマン帝国による侵略の影響でブドウの収穫が例年よりも遅れてしまい、その粒の一部は干し葡萄のように縮んでカビが生えてしまいました。
しかし、この葡萄がもったいないと思ったのか、この葡萄でワインを造ったところ、それまでに飲んだことのないような甘く、風味豊かなワインが出来上がったのです。
ちなみに、「貴腐」とは、腐敗したように見える外見からは想像できないような芳香と風味を持ったワインが醸造されることからつけられた名前で、フランス語でプリテュールノブル
、ドイツ語ではエーデルフォイレと言い、いずれも「高貴なる腐敗」という意味で、日本語での「貴腐」もその意味の直訳です。
貴腐ワインを造るのにはとても手間ひまがかかる
貴腐ワインをつくり出す葡萄は、貴腐菌が付着し葡萄の果皮のロウ質を溶かすことによって水分を蒸発させるのと同時に、酸味を減らし糖分が充分に濃縮される貴腐化が起こります。しかし、貴腐化は全ての葡萄で同時には起こらないので、貴腐化した葡萄だけを一粒ずつ摘み取ります。そのため、収穫には長時間を要します。
この貴腐葡萄のエキスを普通の葡萄からつくった1年物のスティルワインに加えて発酵させたものが超甘口のトカイ アスーです。トカイ アスーにはスティルワインに加える貴腐葡萄の量の単位「プットニョシュ」が3〜6まであり、数が増えるほど貴腐葡萄の量は増え、甘味が増していく。またスティルワインを一切加えず、貴腐葡萄のみでつくられたものが、最高級で最高糖度のトカイ エッセンシアです。
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<豆知識1:スイーツ好きの究極の組み合わせ>
香ばしさがおいしいナッツを使ったお菓子・チーズのコクとクリーミーな甘さが魅力のティラミス・酸味と甘みのある林檎を使ったお菓子・バターたっぷりのパウンドケーキ・卵の多いしっとりとしたお菓子などにこのワインを合わせてみてください。ワインとは思えないほどの甘みと、香ばしさがトカイワインの特長です。トカイワインはそれだけでも充分デザートになりますが、食後の一皿を添えてこのおいしさを心ゆくまで堪能してください。
【参考】「ワインの知識と相性のよい料理」
著:塩田ノア ワイン監修:小谷幹 グラフ社
<豆知識2:意外な組み合わせ>
よくカレーにはワインは合わないのではないかといわれますけど、そんな事はありません。カレーの中にはちみつやすりおろしたリンゴを入れる事が多いのはご存知ですね。あれは、辛味を甘さでまろやかに包んでいるわけです。ワインを合わせるのもそんなところから考えてみるといいと思います。つまり、はちみつや甘いリンゴに近いワインを合わせてみるのです。お薦めしたいのはハンガリーの白ワイン トカイ アスー 5プットニョシュです。
【参考】「田崎真也の今日はこのワイン(ワインと料理のすてきな関係)」
著:田崎真也 絵:三好貴子 駿台曜曜社
<トカイワインの逸話>
マリア・テレジア女王(マリー・アントワネットの母)が、黄金色に輝く貴腐ワインに金が含まれているのではないかと思いウィーン大学で分析させたとの逸話も残っています。
■ヴィラーニ カベルネソーヴィニヨン
古代ローマの遺跡から発掘された品質保証
ハンガリーの赤ワインといえば、日本ではエゲル地方が有名ですが、近頃のハンガリーではエゲルよりもおいしいと評判なのが、ハンガリー最南端の産地ヴィラーニです。
この地方は気候が温暖で日照時間が長いため、ぶどう栽培に理想的な場所で、地中海的な味の高品質のワインの産地として近年注目されてきています。
しかし、ヴィラーニのワインはかなり古くから、歴史に登場するのです。
古代ローマ帝国の時代、今のヴィラーニはカンポーナと呼ばれていました。カンポーナは最も大きなローマ軍の駐屯地のひとつでした。ここに駐留するローマの軍人が、この地域のワインを大変好んでいたことを告げる証拠が、この地方に残っているローマ軍のキャンプの遺跡から見出されたのです。
このような歴史を持ち、近年注目の隠れた名品を見つけるのがワインの醍醐味です。
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